
INTERVIEW
Q1.農業を始められたきっかけは?
どんぐりから始まる、私と里山の100年計画
第1章:なぜ、異業業種から「山」へ向かったのか?
かつて私は、広告制作や飲食・小売の世界に身を置いていました。「伝えること」「食の現場」は刺激的でしたが、心のどこかで「もっと命の根源に触れる、一生を賭けられる仕事がしたい」という想いが膨らんでいました。
そんな時、目に入ったのが京都の美しい里山です。しかし、中に入ってみると担い手不足で荒廃が進む現実がありました。
「この豊かな景色と営みが、僕たちの世代で途絶えていいわけがない」
その強い危機感と、自然の中で新たな価値を生み出したいという情熱が、私を forestry(林業)の世界へと突き動かしました。
第2章:原木きのこ栽培との出会いと、泥臭い試行錯誤
山を守るビジネスとして私が選んだのが、伝統的な「原木栽培」でした。
今や市場の大半は工場で計画生産される菌床栽培です。そんな中、あえてクヌギやコナラといった自然の木に菌を打ち、自然の力だけで育てる原木栽培は、天候に左右され、時間も手間も何倍もかかります。
最初は失敗の連続でした。気温や湿度の読み違い、自然の厳しさに打ちのめされる日々。しかし、苦労の末に原木からポコッと顔を出したキノコを口にした時、衝撃が走りました。
身の詰まった圧倒的な弾力、そして口いっぱいに広がる濃厚な旨味。
「これこそが、本物の山の恵みだ。この感動を、たくさんの人に届けたい」
その確信が、現在の「京茸(きょうたけ)」ブランドへのこだわりの原点となっています。
第3章:「百里衆」が目指す、100年後の未来
キノコを作れば作るほど、私の視線は「その先にある森の未来」へと向くようになりました。
私たちは、キノコを収穫して終わりにはしません。どんぐりから苗木を育てて山に還し、使い終わったホダ木は昆虫マットや堆肥として次の命へつなぐ。この「伐って、使って、植えて、育てる」循環型林業こそが、私のライフワークです。
現在は、キノコ生産だけでなく、里山の空き家管理や、志ある若者が林業に参入できるフランチャイズのような仕組みづくりにも挑戦しています。
私が生きている間に、植えた木がすべて大木になる姿は見られないかもしれません。でも、100年後の子供たちに「日本の里山っていいなあ」と思える未来の景色を、今、この手で仕込んでいます。
Q2.主にどんな野菜や果物を育てていますか?
原木きのこ(椎茸、舞茸、霊芝)、きくらげ


Q3.野菜・果物作りで特に心がけていること、こだわっていることは何ですか?
森を育て、水を極め、命を還す
京都をはじめとする国産の原木を使用し、自然の力でじっくりと旨味を凝縮させています。また、役目を終えたホダ木は再び地球へ還す。私たちは、美味しさだけでなく「森と食卓のサステナブルな循環」にこだわっています。
Q4.お客様にどんな食べ方をおすすめしたいですか?
「天ぷら」もしくは「ホイルの包み焼き」
Q5.にっぽん青果祭にご来場いただく皆さまにメッセージをお願いします!
私たちが暮らす日本の里山には、何十年もの時間をかけて育まれた豊かな森があります。
株式会社百里衆(おざとしゅう)は、この美しい自然を100年先の子どもたちへつなぐため、苗木を植え、森を育て、持続可能な「循環型林業」に取り組んでいます。
今回のイベントでは、その豊かな森の恵みそのものである、自慢の「原木きのこ」をお持ちします。自然の力でじっくり育ったきのこは、風味も旨味も格別です。
使い終わったホダ木(原木)は、再び堆肥として地球へ還します。そんな小さな循環の一部を、ぜひ食卓で体感してみませんか?
森の呼吸を感じる一粒、一滴のお出汁を、ぜひ会場で見つけてみてください。
皆さまにお会いできるのを楽しみにしています。

